99歳のバイバイ、田舎で伝わったキモチ
灯油配達で感じた、心温まる瞬間!
ご本人の写真に替えて、阿武隈川の写真を掲載します。本文とは無関係の写真です。ご了承下さい。
ある日の夕方、灯油配達先での出来事でした。
「おら、来年で100歳になんの。かどぐ(家督、後継)亡ぐしてがっかりして、ひとんじ暮らさんにがら今は次男呼ばって二人ぐらす。あぶら配達してもらって、どうもありがどない。」
※訳します。「私は来年で100歳。長男を亡くしてがっかりして、一人暮らしはできないので今は次男を呼び戻して二人暮らし。灯油の配達をありがとうございました。」
地元のお客さんゆえ、その事情は知っていました。玄関先に出ていた空のポリタンクを見て「これ、置き場所に運びますよ!」と告げ、程なく給油完了。代金を計算する間にも、おばぁちゃんは次男のいろんな事を話してくれました。私も息子さんと一緒に中学校に通った事を話しました。耳も遠くならず、来年100歳のお歳を感じさせない受け答えでしたが、歩く様子はおぼつかず、これは一人暮らしは無理と感じました。
「ありがとうございました! またよろしくお願いします!」玄関先でお礼を言うと、「まだ、たのんからない。」※(また注文しますよ。の意)おばあちゃんは私に深々と頭を下げてくれました。
車をバックし始めると、玄関近くの窓を開けて私を見送ってくれました。
「ププッ!」 クラクションを鳴らす私に向けておばあちゃんは両手で精一杯の「バイバイ!」をしてくれました。配達しただけなのに。胸に温かいものがこみ上げて来るのを感じました。
店とお客さんの関係は、お客さんが上で店が下。お客様の方がエライ! そんな風潮が大勢になっている昨今。ここの地域は、このおばあちゃんはお客様が店への感謝してくれている。あぁ、ここで生きていて良かった。ここで店をやっていて良かった。
これを伝えたくて、今日はブログに書きました。おばぁちゃん、また行くよ!「待ってでね!」